更新情報

「消音タイル」、施工しています

「消音パーティション」の原理で、「消音タイル」を造りました。
この「消音タイル」は、500㎜角で、厚さが30㎜、それを既存の壁に、貼っていくという工法です。

201208 11 正面壁、仕上がり
200921 17 北・東壁 消音タイル貼り、途中

このように、壁に貼ることにより、『吸音』による『消音』効果で、会議室・仕事室の音エネルギー量を低減します。

「吸音量」は、室の体積に対する「吸音面積」に比例します。
つまり、音エネルギー・総量に対して、どれだけ「吸音面積」があるか?、という計算になります。

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「消音パーテイション」、完成しました

昨年、2019年、「消音パーテイション」、完成しました。

『吸音』による、「消音パーテイション」に、既存のローパーティション・ドアを簡易に防音していただき、トータルで、40dB 消音することが、できました。

恐らく『吸音』による「消音パーテイション」は、これが限界、と思われます。究極の「消音パーテイション」が完成いたしました。

さて今年は、『消音』ではなく、「防音パーティション」造りに入ります。手始めに、「音楽ボックス」を形にしてみよう、と考えています。

乞う、ご期待。

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重量・床衝撃音用の『緩衝マット』の開発 その3…『緩衝マット11・HEAVY』

その1で上げた、『緩衝マット 9』は、そもそも子どもの足音用に開発したマットでしたが、それで止まらない、大人用の『緩衝マット』を要望する声が増えてきて、どうしても必要になってきました。

大人の重い歩行音=カカト歩き音、体重60㎏の人間が、高さ20㎝から片足を落とすもの、と想定し、計算してみると、重量・床衝撃音の試験機、バング・マシンの衝撃力とほぼ同じになります。
この衝撃を吸収する、『緩衝マット』には、かなりの反発力がある『緩衝フェルト』が必要になります。

そのような『緩衝フェルト』の開発は、容易ではありません。
先ず、開発資金がありません。
そこで、探しに探したところ、それに近い反発力を持つフェルトがありました。

そのフェルトに、いつもの『遮音制振ゴム』を貼り合わせ、『緩衝マット 11H』が、できあがりました。
早速、ある鉄骨造の工場の2階床に、敷いてもらったところ、ほとんど聴えないレベルになりました。
その工場の1階は事務所、2階が食堂・会議室になっていて、土足でした。
残念ながら、試用前と後の測定はできませんでした。
去年、2016年の暮れのことでした。
181121 マット11H-1

その後、マンション、保育園などでお使いいただき、喜んでいただいています。もちろん苦情はありません。
施工の前と後の測定をしたいのですが、ほとんどできません。
その理由は下階には、入れないことです。
残念ながら、どこかで測定をしたい、と願っているのですが、未だその機会に恵まれていません。

現在のところ、厚11㎜、910×910㎜の貼り合わせは、未だしておりません。
『遮音制振ゴム』厚3㎜、910×910㎜
『緩衝マット・HEAVY』厚8㎜、910×15m
別々にお届けしております。

現場で、敷き込み、という方法になります。

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重量・床衝撃音用の『緩衝マット』の開発 その2…『緩衝マット11・ケナフ』

この開発は、前回に上げた、本来必要な『重量・床衝撃音』と、名目で社会的に標準になってしまった、『軽量・衝撃音』の矛盾を相克するため、考え、開発した『緩衝マット』です。

そもそも、以前にいた会社で、1年で2m以上に成長する植物「ケナフ」の繊維で、エコロジーなものとして作ったフェルトと遮音ゴムを貼り合わせた防音マットを、「音」としての意味を持たせるため、作り直したマットです。

先ず、「ケナフ・フェルト」は二次加工をして、反発力を強化し、遮音ゴムは、肝心の振動を吸収する『制振』能力があるゴム『遮音制振ゴム』に取り換えました。
2009年のことです。

120808-3
その結果、公的な試験所の試験では、上にフローリング厚9㎜を敷いた場合、LL-42 (軽量)、LH-49 (重量)という結果でした。
軽量のLL-42は、ランクに直すとLL-40レベルということになります。
裏にスポンジを貼った、直貼りフローリングではLL-40という商品はありますが、間に敷く方法のマットでは、画期的なことだった、ようです。
LL-40フローリング+新マット-2

この商品は、某健康商品会社から販売されていて、今でもよく売れているようです。

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重量・床衝撃音用の『緩衝マット』の開発 その1…『緩衝マット9』

マンションの管理規約の中には、必ず「L-40以上の性能がある、床材を使用すること」というような、文言があります。
「L-40」というのは、「LL-40」の略で、建築学会でいうところの『軽量・床衝撃音』の性能のことを表しています。
『軽量・床衝撃音』の試験方法は、1920年代に発明され、1948年に「タッピング・マシン」として、国際標準とされました。そのタッピング・マシンは、重さ500グラム、直径3㎝の円筒形の鋼材を、4㎝の高さから落とし、下階で40デシベルに聴える性能を、「LL-40」としています。写真のような、器具です。
タッピング・マシン

世界ではこの器具による試験を「床衝撃音試験」としていますが、日本ではこれを「軽量・床衝撃音試験」としています。日本にはもう一つ、「重量・床衝撃音試験」が存在しています。軽量と重量の基準が別々にあるのは、日本だけです。
日本の住宅は、木造と土足でない文化で、床の剛性を高くする必要がなかったため、と考えられます。
実際に日本では、建築基準法は床の厚さは12㎝以上、という基準しか無く、現実に当初建てられたマンションの床厚は12㎝が、ほとんどでした。
ヨーロッパでは、組積造、土足の文化からか、200・300年前では、床厚1m以上もある建物も存在します。現在の鉄筋コンクリートー造の建物でも、25㎝以上がほとんどです。
「タッピング・マシン」と呼ぶのも、ハイヒールでタップする、というところから、名付けられています。

もう一つ、日本の薄い床スラブとヨーロッパの厚い床スラブでは、決定的な違いがあります。
それは、ヨーロッパの床厚が1mもある床では、すべての衝撃が『表層振動』ですが、日本の薄い床スラブでは、軽い衝撃は『表層振動』ですが、重い衝撃は『構造たわみ』になる、という点です。

ボクは「音」の仕事を始めて、20年くらいはなりますが、今でも最も多いご相談は、マンションの上・下階の音の問題です。特に足音、建具などの『固体伝搬音』が原因です。
その原因は、上記の管理規約、「L-40」という規約にある、とボクは考えています。

上記のように、日本のマンションの標準とすべきなのは、「軽量」ではなく、「重量」でなければ、マンションの管理規約の意味がありません。何故そうなったのか?
恐らく標準のマンション管理規約を作成する際、その違いを考慮せず、「軽量」が標準となってしまったのでは?、とボクは考えています。
ボクは一時、マンション学会に入っていて、その疑問をたずねてみましたが、ご存じの方は、みえませんでした。

今現在、日本には「重量・床衝撃音」用の防音材は、見あたりません。
そこで、試行錯誤の上、『緩衝マット』を開発してみました。
その第1号が、下記の『緩衝マット9』です。2007年のことです。
DSC01208-15

衝撃を吸収する、反発力の強い特殊な加工をした白いフェルトに、振動エネルギーを熱エネルギーに換える能力が極めて強い、特殊な黒いゴムを貼り合わせました。
公的な試験所の試験で、上にフローリング厚9㎜を敷いた場合、LL-45 (軽量)、LH-51 (重量) という結果でした。
試験体4 断面(071211)絵

これまで、マンション、保育園などで使って、いただいています。苦情は、ありません。
某大手内装材の会社でも、標準品として、扱っていただいています。

厚さは9㎜、910×910㎜で、設計価格は6,600円/枚、です。

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『吸音』を究めた『消音』の行方 その4…消音・自習室

これまで、『吸音』による徹底的な防音を、『消音』と呼んで、
(1) ワンワン・ハウス
(2) サイレント・ボックス
(3) 消音パーティション・ルーム
と、制作してきました。

『消音』を使う用途・目的によっても、違いましたが、今回4番目の挑戦として、『消音・自習室』を試作してみました。
使用する構成材・枠材は、前回の「消音パーティション・ルーム」と同様、生興(株)さんの、ローパーティション、LPXを使わせていただきました。
このパーティション材の長所は、ワン・アクションで簡単に組み上がっていくことです。
下記の写真の自習室は、2人がかりで10分くらいで、組み上がりました。
消音・自習室、写真
上の写真は、今回試作した、「消音・自習室」。左側はドア無し、右側はドア有りにしてみました。

その「消音性能」は、下記のようになりました。

消音性能 騒音値の図 4

よく見ていただくと、不思議なことに、わずかですが「ドア有り」よりも「ドア無し」の方が、消音性能が、良いのです。
「音」が消える「消音」の原理は、空間に有る音エネルギーを、「消音壁」の吸音材が、強力に『吸音』してくれて、空間が解放されているにもかかわらず、音エネルギーが低減し、『消音』状況が現出する、ということです。
「ドア有り」のガラス面積を大きくした結果、空間に存在する「音」が、ガラスで反射され、室空間の音エネルギーが、増加してしまったため、と考えられます。
この現象は、これまでの世間で常識だった、『遮音』による『防音』とは、まったく逆、です。
『遮音』による『防音』では、とことんスキ間を無くさないと、そのスキ間から、音エネルギーが漏れてしまいます。
『消音』による『防音』では、スキ間、空間がどれだけあろうと、壁の『吸音力』が大きければ、『消音』してしまいます。

試作をすることによって、また新しい“発見”がありました。
この原理を使って、まだまだ、いろいろな用途・分野で、使える、お役に立つことが、できるようです。

音・環境事業のパートナー:『生興(株)』(パーティション部材の供給、消音商品の販売)

音・環境事業のパートナー:『コマツアートデザイン(株)』(消音商品の製作、特殊「音」工事の施工)

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