『吸音』を究めた、『消音』の行方 その1

今現在、進行中の『音』の開発プロジェクトを、支障のない範囲で、ボツボツとご紹介していこうかな、と思います。

その第1回は、『吸音』を究めた『消音』について、書いてみます。
原理は簡単「音エネルギーを吸収してしまえば、静かになる」ということ。

今から8年前、あるパーティション・メーカーと一緒に、『吸音をメインにした、静かな応接室』を目指したことがありました。

これに至る要因として、
①パーティション工法では、スキ間が必ず多くできる。
②使用する材料、仕上げ材は、鋼板・アルミなどの反射材・遮音材ばかりで、
 室内の音エネルギーが多くなりすぎる。
など、パーティションは、およそ防音に向かない代物、工法である、と考えられていました。

しかし、パーティション工法の利点は多く、
①工期が短い。
②工事が簡単。
③コストが掛からない。
④移設が簡単。
などたくさんあり、市場ではほとんどがパーティション工法による、室空間造りになっています。

しかし、『防音』には向かない。
そこで考えたのが「『吸音』による、静かな空間」造りでした。

結果から言ってしまうと、500Hz以上の中・高音は、30dB以上、低減=消音できましたが、それ以下のの低い音、特に125Hzの落ち込みが激しく、10dB台の消音しかできませんでした。

その一番の原因は、吸音材がウールだけだったこと。
もちろん、グラス・ウールよりも性能がよい、ロック・ウールを使っても、でした。

それでも、中・高音域で30dBも消音できたことは成果で、人の聴感覚で言えば、1/8に聴える、というレベルでした。

とりあえず商品化、という話しになりましたが、経営者の鶴の一声で、中止になりました。
とても、残念でした。
ただ、その時の経験から、それ以上のものにするプランを、ずーっと育んできました。

その後、ある人からの相談で、「ワンちゃんの家はどうだろう?」という話しが出てきて、早速試作することとなりました。
それで、できあがったものが下記の写真です。
             《ワンワン・ボックス》
ワンワン・ボックス
室内は、吸気・排気装置も付け、ワンちゃんの快適さも考慮しました。
性能はなかなかのもので、D-35レベル、
250Hzで、26dB
500Hzで、40dB
1000Hzで、50dB
という性能でした。
もちろん、中のワンちゃんの声は、ほとんど聴えませんでした。
ただ、あまり需要はありませんでしたが・・・


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