これまで、『吸音』による徹底的な防音を、『消音』と呼んで、
(1) ワンワン・ハウス
(2) サイレント・ボックス
(3) 消音パーティション・ルーム
と、制作してきました。
『消音』を使う用途・目的によっても、違いましたが、今回4番目の挑戦として、『消音・自習室』を試作してみました。
使用する構成材・枠材は、前回の「消音パーティション・ルーム」と同様、生興(株)さんの、ローパーティション、LPXを使わせていただきました。
このパーティション材の長所は、ワン・アクションで簡単に組み上がっていくことです。
下記の写真の自習室は、2人がかりで10分くらいで、組み上がりました。
上の写真は、今回試作した、「消音・自習室」。左側はドア無し、右側はドア有りにしてみました。
その「消音性能」は、下記のようになりました。
よく見ていただくと、不思議なことに、わずかですが「ドア有り」よりも「ドア無し」の方が、消音性能が、良いのです。
「音」が消える「消音」の原理は、空間に有る音エネルギーを、「消音壁」の吸音材が、強力に『吸音』してくれて、空間が解放されているにもかかわらず、音エネルギーが低減し、『消音』状況が現出する、ということです。
「ドア有り」のガラス面積を大きくした結果、空間に存在する「音」が、ガラスで反射され、室空間の音エネルギーが、増加してしまったため、と考えられます。
この現象は、これまでの世間で常識だった、『遮音』による『防音』とは、まったく逆、です。
『遮音』による『防音』では、とことんスキ間を無くさないと、そのスキ間から、音エネルギーが漏れてしまいます。
『消音』による『防音』では、スキ間、空間がどれだけあろうと、壁の『吸音力』が大きければ、『消音』してしまいます。
試作をすることによって、また新しい“発見”がありました。
この原理を使って、まだまだ、いろいろな用途・分野で、使える、お役に立つことが、できるようです。
音・環境事業のパートナー:『生興(株)』(パーティション部材の供給、消音商品の販売)
音・環境事業のパートナー:『コマツアートデザイン(株)』(消音商品の製作、特殊「音」工事の施工)